1.年月別発震機構解Gallaryの新設
2026年5月から再開設した公式HomePage(niitsumageolab.dev)の構築を進めておりますが,15年前に開始した旧HomePage(niitsuma-geolab.net)からWord Pressの文法も大変革を遂げ戸惑っております.AI Operaterなどの新規Surviceを活用して適応を試み,その第一段として「年月別発震機構解」表示にGallary Blockを導入.
Home Page先頭Pageの右上端の「年月別発震機構解」をClickすると「全国月別CMT」「全国年別CMT」「全国月別速報」「東北月別CMT」「東北年別CMT」の項目の下に2026年5月と4月の発震機構解震央地図・海溝距離断面図・縦断面図・時系列図が並んだGallary Blockが表示.その何れかをClickすると個別全面表示.
これらの項目中のCMT図は気象庁職員による精査後に公開される為,連休などでは公開が遅れる.速報解は自動公開のため発震後ほぼ数十分内に5日間公開され,地震予報に重要な本震判定に使用できる.「全国月別速報」は速報が常時どの程度公開されているかを示すため掲載(ただし,2026年4月末から5月始については,本Home Page途絶の混乱で欠落).
2.2026年5月の地震活動
気象庁が公開しているCMT解によると,2026年5月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で17個0.324月分,千島海溝域で1個0.002月分,日本海溝域で10個1.910月分,伊豆・小笠原海溝域で2個0.060月分,南海・琉球海溝域で4個0.136月分であった(2026年5月全図月別).
2026年5月の総地震断層面積規模はΣM6.7で,最大地震は2026年5月15日の最上小円区深度45㎞の東北前弧沖大船渡ofAcJOfuj震源区M6.6Psで,M6.0以上は最大地震のみである.
最大地震の最大震度は5弱で震度1以上が北海道南岸から関東まで及んでいる(図667).仙台湾から佐渡より南側の震度が小さくなっているが,その東方延長に日本海溝軸輪郭が太平洋側に突出する頂点に当たっている.海洋側に突出する海溝軸から沈込むSlabは裂開しなければ沈込むことができない(図653:月刊地震予報200(2)).裂開の北側のSlabとMoho面直下の島弧の屋台骨との剪断境界の震源を発した地震波がSlab裂開によって阻まれていることを示唆している.

図667.2026年5月15日東北前弧沖大船渡ofAcJOfu震源区M6.6Ps/45kmの震度分布(気象庁HPより).Clickすると拡大します.
2026年5月までの日本全域2年間のCMT解は396個で,その総地震断層面積規模ΣM8.9はPlate運動面積規模M8.2に対して5.364倍と大幅に超過している(図668の中図上).日本全域と千島海溝域のBenioff曲線(図668右図上左端Total/4と右端Chishima[A])は2025年7月30日M8.8の巨大な段差に隠され他の段は見え難いが,伊豆海溝域OgsIzでは,2024年7月8日WdtiGPcPlM6.2-trの最初の段・2024年末から2015年始の段・2026年始の緩い段が認められる.琉球南海域(図668右図上左端の右側のRykNnk[D])には,伊豆海溝域とほぼ同期したBenioff曲線が2024年8月8日TrPhKysM7.0psの段から認められる.千島海溝域は,2025年に入り完全無CMTを保っていたが(図668右下地震断層面積移動平均規模areaM図右端A),5月31日に5月最大地震oAcCKsrM6.1Ps,6月22日にも6月最大地震oAcCNmrM6.0Psが続き半年ぶりに活性化し,2025年7月30日oAcCKamcM8.8・9月19日oAcCKamM7.8psが続いたが歪軸方位に変化がなく,千島海溝域の歪の完全解放に至っていない(月刊地震予報193).その活動は,静穏化の続いていた日本海溝域[B]に移り,2025年12月8日の最大地震東北前弧沖下北震源区ofAcJSmkM7.4psに続きその東方の深度の浅い東北弧沖襟裳南震源区oAcJEsで12月9日M6.0Ps・M6.5Ps・12月12日M6.8psと東北弧沖久慈震源区oAcJKjM12月31日M6.0Psが起こり(月刊地震予報196),2026年に入り千島海溝域の択捉沖で1月最大地震があったが,2026年2月以降CMT解の殆ど無い静穏期に入った.

図668 .2026年5月までの日本全域2年間CMT解.Clickすると拡大します.
左図:震央地図,中図:海溝距離断面図.震源円の直径は地震規模Mから算出される地震断層長L km(=10^(0.6M-2.9))で,面積は地震断層面積Sf km2 (=10^(1.2M-9.9))に比例:月刊地震予報173).ただし,この期間の地震規模は小さいのでCMT規模にΔM+1.0を加えて4倍拡大した地震断層長を使用.数字とMは,M7.0以上であるが2026年5月についてはM6.0以上のCMT解発生年月日・規模.
右図:時系列図は,海洋側から見た海溝域配列に合わせ,右から左にA千島海溝域Chishima,B日本海溝域Japan,C伊豆・小笠原海溝域OgsIz,D南海・琉球海溝域RykNnk,日本全域Total,を配列.縦軸は時系列で,設定期間開始(下端2024年6月1日)から終了(上端2026年5月31日)までの730日間で,右図右端の数字は年数.設定期間の250等分期間2.9day(右下図右下端)毎に地震断層面積を集計・作図.
Benioff図(右上図)の横軸はPlate運動面積で,各海溝域枠の横幅はこの期間のPlate運動面積に比例させてあり,左端の日本全域Total/4のみ4分の1に縮小.
階段状のBenioff曲線は,左下隅から右上隅に届くように横幅を合わせ,上縁に総地震断層面積ΣMのPlate運動面積に対する比を示した.下縁の鈎括弧内右の数値[8.2] [7.9] [7.6] [7.5] [7.9]は設定期間のPlate運動面積が1個の地震として解放された場合の規模で,日本全域ではこの間にM8.2の地震1個に相当するPlate運動歪が累積する.上図右下端の(M6.1step)は,等分期間2.9日以内にM6.1以上の地震がTotal/4のBenioff曲線に段差を与える.
地震断層面積移動平均規模図areaM(右下図)の横軸は地震断層面積規模で,等分期間「2.9day」に前後期間を加えた8.7日間の地震断層面積を3で除した移動平均地震断層面積を規模に換算した曲線である.右下図下縁の「2,5,8」は移動平均地震断層面積規模「M2 M5 M8」.右下図上縁の数値は総地震断層面積(km2単位)である.
areaM曲線・Benioff曲線の発震機構型による線形比例内分段彩は,座屈逆断層型pbを橙色・剪断逆断層型psを赤色・横擦断層型nを緑色・正断層型tを黒色.
3.2026年6月の千島巨大地震への歩みを読み解く海溝軸輪郭の凹凸と海溝外地震
本章は,千島巨大地震への経過と「2011年平成巨大地震M9.0」への経過との詳細な対応および他地域の地震活動との関連を明らかにすることを目標としているが,今回は,海溝軸輪郭の凹凸と海溝外地震に着目する.
日本海溝域の「2011年平成巨大地震M9.0」までの実長震源円による38年間の観測地震では,中空き震源円で表示されるM7.0以上の震源が分布する島弧沖・日本海岸沖・和達δの3震源列がある(図669左図震央地図・中図海溝距離断面図).

図669.日本海溝域の1973年から2011年3月11日平成巨大地震M9.0までの38年間CMT解・観測地震.Clickすると拡大します.
左図:震央地図.右下から左上への曲線は太平洋PCの北米NAに対する2度毎のPlate運動Euler緯線.震源は地震規模から算出される地震断層長を直径とする円で表示.この円の面積は地震断層面積に比例し,地震で解放されるPlate運動歪面積に対応.震源円の色は発震機構(下縁の凡例:灰色は発震機構不明の観測地震).震源円の中心の短直線は地震で解放された主歪軸方位.3441個の震源を表示.数字とMはM7.5以上の観測地震発生年月日と規模.
中図:下]海溝距離断面図.海溝に沿う海洋底の同心円状屈曲頂点を真上にした地球断面図で,深度410㎞曲線が上部Mantle/Mantle漸移帯境界,深度660㎞曲線がMantle漸移帯/下部Mantle境界.上]地震断層面積規模移動平均曲線areaM・地震断層面積積算曲線Benioff.数字とMはM7.2以上の観測地震発生年月日と規模.
右図:上]縦断面図.中]時系列図.上縁が2011年3月11日平成巨大地震M9.0発生時.下]主歪軸傾斜方位図.中央横直線が海溝軸に直交する海溝傾斜方位[TrDip].紫折線(Sub)はPlate運動方位.
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