Plate運動によって蓄積する歪が破壊限界を超えて解放される際に発せられる振動が地震である.観測網によって捉えられた振動方位から震源と主歪軸方位が求められ,気象庁Home Page(https://www.data.jma.go.jp)で公開されている.
震源の歪場は引張T・圧縮P軸の載る主歪面と主歪面に直交する中間N軸から成る3つの主歪軸方位で表現できる.
主歪軸傾斜方位図では,T軸傾斜がP軸傾斜より小さい方場合にそのT軸傾斜方位を△で表示し,P軸傾斜が小さい場合にP軸傾斜方位を〇で示す.
主歪軸傾斜方位図の方位基準は,海溝軸輪郭に直交する海溝傾斜方位で.図中央横直線 [TrDip]である.上縁と下縁は方位基準から180°異なる海溝傾斜の逆方位.紫折線(Sub)はPlate運動方位.
縦細線は小円区境界である.地球のような球面上には球中心を通過する面との交線である「大円」と球中心を通らない面との交線の「小円」がある.地球儀上で円弧の連なりのように見える日本列島に沿う海溝軸輪郭は「小円」の連鎖である.海溝軸輪郭までの距離の等しい「小円心」を海底地形図から求めることができる.
日本海溝の場合には「小円心」が太平洋側に位置する「襟裳小円」・島弧側に位置する「最上小円」・太平洋側に位置する「鹿島小円」と,「小円心」が「海洋側」と「島弧側」に交互する「小円区」に区分できる(解説 5-1図上縁).この「小円区」(解説 10)境界は,隣接「小円心」を結ぶ「大円」になる.
震央地図(解説 1)に細線で扇型に描かれているのが「小円境界線」であり,扇の要に当たる点が「小円心」になる.海溝軸輪郭が小円に沿っているので,海溝軸輪郭に沿う縦断面図の横軸座標での「小円心」への方位(島弧側小円心)あるいは逆方位(海洋側小円心)が海溝傾斜方位になる.海溝傾斜方位は海溝輪郭距離に比例して変化するので,本「主歪軸傾斜方位図」では直線に沿って変化し,小円連鎖の日本海溝域での東西南北方位線NESWは折線で表示される.折線の傾斜は小円半径に逆比例して小さくなる.
Euler緯線に沿うPlate運動方位(紫色Sub)も「小円」に沿うが,日本海溝に於ける「小円径」が大きいので殆ど変わらずW方位線に沿う折線になっている.Subが「主歪軸傾斜方位図」の基準としている海溝傾斜方位(TrDip)を横切る折線と成っており,地震の主歪方位がPlate運動方位とその逆方位に集中していることは,日本海溝がPlate運動によって形成されている有力な証拠と成っている.

解説 5-1図:主歪軸傾斜方位図.Click拡大.
上図:「緯度・経度」系,下図:「Plate運動Euler緯線」系震央地図対応.
方位基準は,海溝軸輪郭に直交する海溝傾斜方位で,図中央横直線 [TrDip].上縁と下縁は方位基準から180°異なる海溝傾斜の逆方位.
紫折線(Sub)はPlate運動方位. NESWは東西南北方位線.
縦線は「小円区」境界.
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